不安症、あがり症、恥ずかしがり屋の人達が最も恐れる時は、人前で話すことではないでしょうか?
緊張するシチュエーションというのは色々あると思いますが、大勢の人が見てる前で話すことほど怖いものはないと思います。
緊張すると身体の内側から何だか嫌な感覚がわいてきたり、心臓が破裂するのではないかというほどバクバクしたり、頭が真っ白になり何も考えることが出来なくなったり、手足が震えたり、涙が出てしまったり、変な汗が出てきたり、お腹が痛くなったり、もうその場から逃げたくなったりと考えただけで不安になり、なるべくなら避けたくなると思います。
日本人は緊張しやすい人が多いです。遺伝的なものかはわかりませんが、不安を感じやすい傾向にあります。シャイではない人でも人前で話したりすることが苦手な人もいます。
ですので、あなただけが緊張しやすいわけではないので、焦らず克服していきましょう。
なぜ、そのような状態になるのか?
考えられる理由として2つあります。
1つ目はその状況に恐怖を感じている。
2つ目はその状況に対して何らかのトラウマがある。
1つ目の恐怖ですが、基本的に緊張や不安というものは恐怖からきています。
緊張する、不安を感じるということは恐怖を抱いているということになります。
人間は恐怖を感じると、防衛反応というものが働き闘うか、逃げるか、もしくは何もできずフリーズするというパターンになります。
闘う、逃げるというのは何となく想像ができると思います。
2つ目のトラウマにも通じるのですが、
フリーズするのは小動物などが大きい動物に遭遇した時にあまりの恐怖にフリーズしてそのまま食べられてしまうということがよくあります。
フリーズしてしまう現象を「解離」と言いますが、専門用語はさておき、人間でも恐怖を感じるとこの解離という現象が起きます。
フリーズ状態というのは例えば、頭が真っ白になってしまったり、身体が動かなくなってしまったり、意識を失ったり、何にも感じることが出来なくなる状態です。
これは防衛反応、要は生き延びるために身体や心に何にも感じさせなくなります。
幼少期や学生時代に人前で発表する機会やスピーチ、先生に指名されたり、教科書を音読する時があったと思いますが、
その時に失敗したり、何も出来なく立ちすくんだり、号泣したり、気を失ったりするとそれが強いトラウマになりそういった機会に強い恐怖を無意識に感じるようになります。
人はそういった恐怖を感じたくはないので、なるべくそのような機会を避けるようになります。そうなるとますます人前で何かをしたり、話したりすることに苦手意識が強くなり、自分は人前では緊張するという意識を強化するメカニズムになります。
マインド矯正
人前で話すことに苦手意識がつくと、その意識の回路が太くなります。一度太くなってしまった回路を元に戻すことは大変です。
しかし、変わったということは元に戻すということも可能ということになります。
これは知っておいてほしいことなのですが、緊張したり、恐怖を感じてしまってフリーズすることは何も悪いことではないです。
そのフリーズした状態はあなたを守るために本能がしてくれたことなのです。
ですので、まずは緊張したりする自分を責めないことが大切です。
緊張する自分を責めてしまう人はとても多いです。しかし責めても良くなるどころか悪くなっていくばかりです。
今まであなたが乗り越えてきたことはたくさんあるはずです。それはとても凄いことですからね。
逆に自分を守ってくれてありがとうぐらいの感覚で良いと思います。
本能は危険だと思って、あなたを守るために緊張させてくれているのです。
イメージとしては緊張は嫌なやつで追い払う対象ではなく、あなたを優しく見守ってくれるような存在だとイメージしましょう。
けっこう、イメージの力というのは大きいですからね。人間の脳はイメージと現実の違いがはっきりしません。
ですので、イメージの仕方、考え方一つで今の状況というものがガラリと変わります。
話す前が緊張、不安のピーク
人前で話す時の緊張や不安のピークというのは直前です。人前で発表する前が一番のピークになります。
発表している最中も緊張はしていると思いますが、それよりも直前がピークになります。
ということは、発表中はさほど緊張していないことがわかりました。
乗り越える場面は直前だけなのです。
これを知っているだけでも少しは気が楽になるかと思います。
これを知っていれば発表中はあなたが表現したいことにフォーカスすることが出来ます。緊張はもう過ぎ去ったのですから。
あなたも経験があると思いますが、発表が終わった後はもう緊張していないと思います。解放感に包まれていると思います。
それでも過度に緊張してしまう時
直前が緊張のピークになりますが、その時に緊張してしまった時は、こうしましょう。
まずはその緊張から逃げるのではなく、詳細に特定していきます。
・それは身体のどのあたりからでしょうか。
・それはどの部位でしょうか。
・それはさらにどこの細胞からでしょうか。
・それはどのように感じるでしょうか。
どんどん対象に迫っていくことがコツです。
これは感覚にフォーカスすることにより思考の枠組みを外す目的があります。
どうしよう、どうしようとあたふた考えてしまう思考があるがために緊張・不安を感じるのです。
思考ではなく、感覚に身を置くとニュートラルな状態に自然と戻っていきます。
瞑想などは感覚に身を置くためにあるとも言えます。あれこれ考えず思考は”無”の状態です。
この無の状態を意図的に作り出す方法が上記になります。
テクニック集
この章では意識しておくと効果的な考え方、テクニックをご紹介します。
1、見られているのではなく、見る意識を持つ
人前に立つと人に見られるのは当然なのですが、見られていることに意識がいきすぎると緊張します。
自分は人からどんな風に見られているのだろう?変だと思われてないか?
そのように考えれば考えるほど、意識が内側に向き自分のことしか考えられなくなります。
意識が内側に向くとどのように自分を表現しようと考えるのではなく、緊張しないようにするにはどうすればいいかと考えます。
ですので、自分の意識は内側ではなく外側に向けましょう。
目線も大きなポイントになります。
下を向いたままではもちろんよくありません。
できることなら、背筋を伸ばして、聞いている人の誰でも良いので目線を合わせるといいです。
目線を合わせることにより、あなたの意識というのは「見ている」意識になります。
人前で目線を合わせることがどうしても出来ない人はやや斜め上を見ながら話すといいです。
何か目印があったら、それを見ながら目線を固定するのもいいでしょう。
2、頭の中の言葉選び
人間の脳は言葉に敏感です。
「緊張しないようにしよう」と心の中で思ったとします。
そうすると、無意識というのは「緊張しない」という言葉にはフォーカスしません。
無意識は「緊張」という言葉にフォーカスします。
緊張をしないという否定系で打ち消しても、緊張という単語に無意識は向かいます。
ですので、この場合は言葉を言い換えると良いです。
例えば、「私はリラックスしている」などです。
この言葉であれば、無意識は「リラックス」にフォーカスします。
言葉を言い換えるクセをつけていきましょう。
3、声は大きめでゆっくり話す
人前では大きい声で話したほうが緊張はとれていきます。ボソボソ喋るよりはハッキリと大きな声で話した方がいいです。
その時に自分の殻を破るようなイメージを持って、ハキハキと大きな声で話しましょう。
ゆっくり話したほうがいいのは、ゆっくり話したほうが焦りがなくなるからです。
早口で話せば、あがり症の人ほど、焦りが出てきます。
さらに呼吸がしづらくなるので、苦しくなっていきます。
ポイントですが、人前で話す時には呼吸をゆっくりするよう意識してみてください。
そのような呼吸に集中することにより、副交感神経が優位になり自然とリラックスしていきます。
大きくゆっくり話すだけで、聞き手は話し手の自信を感じるので一石二鳥です。
大きな声でゆっくり話すは意識しやすいと思いますので、焦ってきた時はこれだけでも思い出してください。
4、練習の場を設ける
人前で話す機会があって、練習するほど話すことは上手くなっていきます。
なので、話し方教室などに通ったりすることは手っ取り早いです。
練習する場なので、たとえ失敗しても問題ありません。講師にフィードバックをもらえるので客観的に修正することが可能です。
他にも、一人で練習することは可能です。
まずは、目の前に多くの人がいる場面をイメージします。
本番に近いようにリアルにイメージするのが大事です。
その場で自分が話したいことを話せるようになるまで練習をしましょう。
最後に
緊張や不安というのはあなたの内側で起きている現象です。
周りの人からはそれは見ることが出来ません。
ですので、あなたが緊張していたとしても周りの人は案外わからないものです。
たとえ、あなたが震えたり、汗をぐっしょりかいたり、顔が真っ赤になったりしても
見てた人は10分後くらいにはもう忘れています。その人はもう他のことを考えていることでしょう。
人前で話すことに慣れないうちは完璧主義を目指してはいけません。
6割くらいであなたが話したいことを話せたら、もうそれは大成功です。
3割くらいでもなんら問題ありません。
周りの人からは普通に話せているように見えます。
自信を持っていきましょう!